あの白に届くまで
拓巳のまっすぐな目があたしを見つめる。
やっぱり2年じゃ、あんまり変わらない。
そう思った。
「柚?」
「大地くんは…日向を大好きだと思う。日向を本当に慕ってると思う。でも、」
――大地くんが日向と過ごすことができた時間は…あまりに短かった。
「でも、日向はあの子に何も言わずにいなくなったから。何も知らせなかったから。…大地くんはそういった意味で、心のどこかで、日向を憎んでるんじゃないかって思う」
憎む、という表現は正しくないかもしれない。
あたしは軽く唇を噛んで首を振った。
「うまく言えないけど…」
「そうだな」
あたしの言葉に重ねるように。
拓巳は微笑んで、頷いた。