あの白に届くまで
「どこ行ってたんだ?」
「んー、ちょっとね」
家に戻ると兄貴がコーンフレークの朝食を取りながら声を掛けてきた。
その横ではソニアが、まだ開ききってない目をしょぼしょぼさせながらリンゴをかじっている。
「グッモニン…ダイチ」
「兄貴、ソニアおはよ」
スポーツシューズにジャージの上着を脱ぐと、俺も兄貴の隣の席に座った。
既に置かれていた皿にコーンフレークをざざざ…と注ぐ。
冷たいミルクを多めにかけて一気に頬張った。
「朝からすごい食欲だな」
「ちょっと走ってきたからお腹空いたんだよ」
驚く兄貴をよそに2杯目をおかわりする。
そして、おばさんの姿が見当たらないことに気付いた。