あの白に届くまで
二つ上の、柚先輩たち。
俺が入部した年の夏の大会で、もう引退してしまった。
だから一緒に過ごした時間は限りなく短いものだった。
…けど。
「……日向先輩」
ひなた。
相原日向先輩。
『大地!お前の走りはいいな』
『…えっ?』
『もっとこういうトレーニングをしろ。絶対に良くなるから』
本当に可愛がってくれた。
皆が言うように確かに口は悪いけど、本当に優しかった。
一生関わっていたい。
一生付いていきたい。
心の底からそう思えた先輩で、
大好きだった。