あの白に届くまで



二つ上の、柚先輩たち。

俺が入部した年の夏の大会で、もう引退してしまった。



だから一緒に過ごした時間は限りなく短いものだった。

…けど。





「……日向先輩」







ひなた。


相原日向先輩。






『大地!お前の走りはいいな』

『…えっ?』

『もっとこういうトレーニングをしろ。絶対に良くなるから』



本当に可愛がってくれた。
皆が言うように確かに口は悪いけど、本当に優しかった。




一生関わっていたい。
一生付いていきたい。



心の底からそう思えた先輩で、
大好きだった。



< 12 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop