あの白に届くまで
今日行くつもりの場所は郊外にあってかなり遠いから、ひとりの方が具合がいい。
「ヒトリで、いける?」
悪戯っぽい目を上げてそう聞いてきた天使に笑顔で答えた。
「オールライト」
まだまだだけど…なんとなく英語を使うという行為自体に慣れてきた。
おばさんやソニアに教えてもらって、お金もちゃんと支払いが出来るようになった。
部屋に入って、もう一度ベッドを整え直して。
ジャージから普段着のシャツに着替えて歯を磨き、髪の毛を軽くとかす。
「行ってきます」
カバンを持つと再び螺旋階段を駆け下りて外に出た。
さっきの夜明けの空とは全然違う、秋晴れの真っ青な空が広がっていた。