あの白に届くまで
―――前を向いていようとする努力は続けろ。
俺は最後にぐっと涙を拭った。
そして真っ正面から、先輩の澄んだ瞳を見つめて力強く返事をした。
『…はい!』
あの日先輩と交わした、最後の約束。
俺は今…守れている?
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―――
「……ん、」
ゆっくりと目を開けた。
たくさん乗っていた人たちがいつの間にかだいぶ降りていて、まばらに数人が席に座っているだけだった。
…揺れる電車の中。
思ったよりも目的地は遠かったことにため息をついた。