あの白に届くまで


カリフォルニア南部郊外にある、大学。

そこが最後の有力候補かな。
そう考えていた。



実はそこの名前を挙げたのはソニアだった。

「ダイチ。ここ、スポーツ、イイよ。遠いケド」と地図を指差しながら教えてくれた。


迷いながらも、いくつもの電車を乗り継いで少しずつ近づいていった。



窓の外から茜色の光が眩しく差し込んできて、目を細める。
すっかり夕方になってしまった。


今日1日はこの一カ所で終わってしまいそうだな。
そう思いながら、売店で買ったホットドッグを頬張った。




…まぁ、いいや。


100件回ったって1件回ったって…結局は"運命"のような気がする。


素直にそんなことを思ってしまう。


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