あの白に届くまで
――あぁ。
思わず目を閉じた。
きつく閉じて、深呼吸した。
俺もいつか…誰かに、ここまで愛される日が来たりするのかな。
そんなことを思った。
日向先輩を想う柚先輩の心があまりに綺麗で、透明で、泣けるんだ。
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「サンキュー」
「ユアウェルカム」
タクシーを降りて、駅に向かった。
空港までの電車を乗り継いでいかないといけない。
切符を買おうとカバンを開けたとき、中身がぐちゃぐちゃだったせいで財布がなかなか取れなかった。
闇雲に手探りをすると、一通の封筒に入れていた数枚の便箋がばらばらと落ちた。
怪訝そうな顔をする人たちに「すみません」と日本語で謝りながら、風に飛ばされる前に便箋を拾う。
存在を忘れかけてた。
日記みたいに書いていた、長い長い手紙。
なんか急に気恥ずかしくなった。