あの白に届くまで
俺は肩の力を抜いた。
…そう。
それが聞きたかっただけなのかもしれない。
――大切な受験を惜しんでまで日向先輩を探しに行く。
馬鹿げたこと。
人はそう笑うだろうけど、
このまま迷いを感じたまま"なんとなく"人生を生きてゆきたくない。
…そんなの、俺は嫌だ。
だって。
「おい真琴ー!なんかリクエストしろよ」
「雄大が歌わないことをリクエストする」
「なんだとぉー!」
――藤島の先輩達を、
見てきたんだから。