あの白に届くまで



本当に、太陽のような人だった。





「あの頃から思ってたけどな。似てるって」


雄大先輩はにっと笑って、俺の髪をくしゃくしゃっとした。



「なっ…」

「日向に会いに行きたいのはいいけど、心当たりはあんのか?」




雄大先輩に続けて、ずっと黙っていた拓巳先輩が口を開いた。


久々に掛けている眼鏡がなんだかめちゃめちゃ格好いい。



「そうだぞ、大地。地球は広い」

「受験どころか人生を全部費やしても見つからないかもしれないし」



隆志先輩もそう付け足した。





…確かに。

世界は広い。




ましてやあの人は気まぐれだから
簡単に歩き回るだろうし
永久に見つからないかもしれない。




――でも。



心当たりは…





「…ゼロってわけじゃ、ないんです」




< 25 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop