あの白に届くまで
本当に、太陽のような人だった。
「あの頃から思ってたけどな。似てるって」
雄大先輩はにっと笑って、俺の髪をくしゃくしゃっとした。
「なっ…」
「日向に会いに行きたいのはいいけど、心当たりはあんのか?」
雄大先輩に続けて、ずっと黙っていた拓巳先輩が口を開いた。
久々に掛けている眼鏡がなんだかめちゃめちゃ格好いい。
「そうだぞ、大地。地球は広い」
「受験どころか人生を全部費やしても見つからないかもしれないし」
隆志先輩もそう付け足した。
…確かに。
世界は広い。
ましてやあの人は気まぐれだから
簡単に歩き回るだろうし
永久に見つからないかもしれない。
――でも。
心当たりは…
「…ゼロってわけじゃ、ないんです」