あの白に届くまで
『…窓、閉めた方がいいよな…』
思わずそんな独り言を呟いて、窓に歩み寄った。
正直に認めれば
窓のことなんかよりも
それを言い訳にして、
なんとなく書類に近づきたかった。
窓を閉める時にちらっと見えただけ、
なんてフリをして。
自分に言い訳して。
『……え?』
窓に手をかけて、さり気なく書類らしきものに目を遣ったものの。
しかし落とし穴があった。
…全部、英語だった。
――全然、読めね。