あの白に届くまで
思わず肩を落とした。
さすが日向先輩。
入院中にも英語の課題?
何やら重大な秘密かと勘違いして、一人芝居で窓まで閉めた自分が恥ずかしくなった。
でももう一度それに目を遣ると、やっぱりただの課題ではないことに気付いた。
『permission…school……か、California…?』
その頃は英語の偏差値が爆笑もんだった俺にも、読める単語だけを咄嗟に拾った。
何やら難しい書類。
だけど、下の方には直筆サインがあった。
――Hinata Aihara
と。
確認出来たのはそこまでだった。
『…おい、君?』
『……!!…すっ、すみません!』
突然後ろから掛かった声に、
心臓が飛び跳ねるかと思った。
反射的に謝りながら、後ろをばっと振り向くと、
そこに立っていたのは日向先輩の担当医さんだった。