あの白に届くまで


言われて、慌てて広げていた紙を伏せる。
ノートパソコンの下に挟み込んだ。



「や。なんでもない」

「なんだよ、オニーサマに見せろよ。彩ちゃんへのラブレターか?」

「んなわけないだろ」



ハズレすぎて苦笑した。

彩には悪いけど、彼女の存在なんて兄貴に言われる今の今まですっかり忘れていた。


ちょっとおかしいのかも。

藤島メンバーが異常に、好きすぎて。




「まぁ、ラブレターってのは当たりかもね」


そう答えると兄貴の眠そうだった目がカッと開いた。


「二股はやめとけ。あんなに面倒なことはない」

「…やったことあんのかよ」


呆れて、また笑った。









――――日向先輩。


この手紙は
ある意味ラブレターなんでしょうか?(笑)


でも書いておきます。

伝えたいことは全部、書いておかないと。


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