あの白に届くまで



そんな感じでもやもやしてきて
なんか心臓が歯痒くなってくる。


それでも

彼女を抱き締めるのはやっぱりルール違反なわけで。


…そこはオレの役目じゃない。





「なーに言ってんの。生きてるに決まってるし」

「きゃっ…」

「あんな毒舌で最強なオレたちのエースなんだから。ジャングルに迷い込んだって死なないよ」



柚ちゃんの額に軽くデコピンを食らわせて、
オレはそう笑った。



毒舌。
最強。

だけど優しくて
いつも前を向いていた


かわいいかわいい後輩。




―――今は何をしている?


オレたちが「お前らしいな」「相変わらずだな」って、
笑えるようなことをしていてくれたら嬉しいな。


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