あの白に届くまで
ん?
意味が飲み込めなくて首を傾げたオレに、柚ちゃんは軽く付け加えた。
「…日向と一番縁が強いのが大地くんだとしたら、ちょっと悔しいかも。ってことです」
それでは。また。
柚ちゃんはそう微笑んであっさりとオレに背を向けた。
眩しく光る純白の姿。
いつかのジャージ姿とは違うけど。
後ろ姿が名残惜しく、そして愛しく思えちゃう気持ちは今でも変わらない。
うん。
――オレもね、悔しいよ。
同じくらい白い雲を浮かべた空を見上げて
そう呟いていた。