あの白に届くまで
窓から見える新鮮な街並みに、なんだかワクワクする。
全然違う。とにかく、雰囲気が全然違う。
30分ぐらいタクシーで走り続けたけど時間が全く気にならなかった。
派手な看板に派手な店。行き交う人々。
夕暮れ時だというのに活発な街並み。
英語の文字もさっきまでは恐怖でしかなかったけど、今はなんかテンションが上がってくる。
――この街のどこかに
いるのかな。
「ヒア」
太ったドライバーさんが、短くそう呟くと。
大きな家の前で車が止まった。