あの白に届くまで


日向先輩がいる"かもしれない"場所の候補はいくつもある。
一週間じゃとても回りきれないから、1日の中で必死に動き回るしかない。

…ソニアを振り回すことになる。
それは、いいんだろうか?


でも兄貴もおばさんもいないなら、俺まで出かけたらソニアはこの家で一人ということになる。



「…行く?」

「行く!」

「め、メイビー…ユー、ウィル、ビー、タイヤード」

たぶん、疲れちゃうよ。

なんとか拙い英語でそう言ってみた。
ソニアは目をちょっと細くした。



――やっぱり通じなかった?

そう肩を落としそうになったけど、


「ノープロブレム!ワタシを甘く見ナイでね!」



ソニアの満面の笑顔に、一気に心が和んだ。


…なんだ。
ふつうに可愛い。


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