あの白に届くまで
この子なら連れて行っても大丈夫そうだ。
…むしろ、英語に関しては、ソニアを連れて行った方が俺にとっては助かるような気がしてきた。
6歳に頼るなんてなんとも情けないけど。
「じゃ、支度してきて。長いこと歩き回るからね。なんせ人探しだし」
「…?」
あ、しまった。
わかりにくい日本語だったかも。
首を傾げるソニアに、俺はまた必死に下手くそな英語を喋った。
「プリーズ、プリペアー、フォー、アワトリップ!」
旅の支度をしてきてください!
旅だなんて、ちょっと違う気もするけど。
ソニアが「オーケー!」と笑って去っていったから
思わず笑みが零れた。
…あれれ。
不思議と楽しい。
リュックに非常用の携帯と手帳、ボールペンや財布を突っ込む。
住所のリストと地図は取り出しやすいポケットに入れておいた。