あの白に届くまで


『学校にいるんじゃないかって思うんだけどね。俺は。…だって、いなくなった時はまだ日向は高校生だったんだから。一応』



"まだ高校生だった"。
その言葉が胸に少し染みた。


…そうだ。

先輩はあの時まだ、

――今の俺と同い年だったんだ。



でも今の俺は
全然あの頃の日向先輩にはかなわない。



『そうですよね』

『だからスポーツの強い学校、制度の充実している学校を並べてみた』



なるほど。
小さく頷いて、リストに目を遣った。


この中にいるのか、いないのかも分からない。
この中にいたとしても全部は巡れない。


日向先輩を見つけることが出来たとしたら

それは奇跡だと思った。



『勘でいけ』

『…え?』

『大地の勘で、行く場所を絞るんだ。幸運を祈る。とりあえずは近くからでいいから回ってみればいい』


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