あの白に届くまで


ポニーテールがふわふわと揺れる後ろ姿。

軽やかに駆けていくその姿が、妙に懐かしかった。


「ダイチ?」

「あ、うん。ごめん」

「だから、そのヒトの名前は?」

「名前?名前はね…」




寝過ごしたせいで、もう昼間。

太陽の光がすごく眩しい。
グラウンドの土がきらきらと光っている。




「Sunny、かな」

「サニー?日本人じゃナイの?」

「日本語の名前で言ったら、ヒナタ。
…日向って言うんだよ」



校門が開いていないからと、ソニアがひょいとそれを乗り越えた。

俺も続いて門を乗り越える。








――日向…Sunny。

眩しい太陽。


< 86 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop