あの白に届くまで
ポニーテールがふわふわと揺れる後ろ姿。
軽やかに駆けていくその姿が、妙に懐かしかった。
「ダイチ?」
「あ、うん。ごめん」
「だから、そのヒトの名前は?」
「名前?名前はね…」
寝過ごしたせいで、もう昼間。
太陽の光がすごく眩しい。
グラウンドの土がきらきらと光っている。
「Sunny、かな」
「サニー?日本人じゃナイの?」
「日本語の名前で言ったら、ヒナタ。
…日向って言うんだよ」
校門が開いていないからと、ソニアがひょいとそれを乗り越えた。
俺も続いて門を乗り越える。
――日向…Sunny。
眩しい太陽。