あの白に届くまで


"懐かしい"は、"懐かしい"なんだ。

そうとしか言いようがない。


「ママは、英語にするならit brings back memoriesかなっていってた」


it brings back memories…

"思い出が蘇る"。



そうと言えなくもないかな?と首を捻った俺に、ソニアがふわっと笑った。


「キモチ、わかるよ。ダイチ。英語にもある。そういうコトバ。…英語じゃなきゃうまくいえない、フィーリング」



ソニアは教えてくれた。


それは、"I miss you"らしい。


「あなたが恋しい、って意味で習ったかな」


俺がそう呟くとソニアは首を捻った。
あどけない顔が、少し難しい表情になる。



「うまく説明できナイ」


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