空色デイズ


はたしてシャープペンシルとはそう簡単に折れるものなのだろうか。



芯が折れるというのならまだ話がわかるのだが、如何せんそのシャープペンシルは昨日買ったばかりで、まだ私も使っていない新品中の新品だ。



そうでなくても、折れるなんて話、聞いたことがない。



一体全体どれだけの力を込めて扱えば、シャープペンシルというのは折れるのだろうか。

是非とも説明していただきたいものだ。


弁解なら聞きたくはないが、とりあえずありったけこれったけな殺気を込めて、折った張本人、隣の席の加藤を睨み上げれば、まったく悪びれる風もなく、そいつは、「だから新しいの貸して」と手を伸ばしてきた。



おい、なんだ、新しいの貸せだと?


今壊したばかりの人間が何言うか、図々しい。
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