空色デイズ


「もうそろそろ来ると思うわ」


コップの中のりんごジュースを飲み干せば、からんと艶めく氷がガラスを揺らす。

荒島の言葉に生返事して、私はノートを開いた。


瀬木先生からもらったシャーペンを手にとってカチカチと芯を出す。


荒島がカラになったコップにジュースを注いでから、「それ……」とシャーペンを指差してきた。


「ん?」
「あんたが言ってた瀬木先生からもらったシャーペンって、それのことでしょ?」
「あ、うん。いーでしょー」



えへへーと可愛く半笑ってみれば、「お馬鹿」とデコピンで返事をされてしまった。
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