空色デイズ


「ねぇ、あみ空」
「っ昨日!昨日ね!瀬木先生に古文聞きに入ったら、すっごい丁寧に教えてくれたの!あと!一昨日の体育で擦った腕もちゃんと消毒してくれたりしてね!とっても優しかったの!このシャーペンくれた時なんかね!瀬木先生がその日締め切りのプリントを―――!」



ペラペラと、ペラペラと、自分で今一体何を言っているのか理解できない。

なんの話をしているのだろう。

私は一体、何を言ってるの?


無理矢理瀬木先生の良いところや好きなところを引っ張り出して、一体私は荒島に何を言いたいのか。何を伝えたいのか。何を誤魔化したいのか。何を隠そうとしているのか。


嫌な予感がしたの。


荒島の声が、怖かった。
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