空色デイズ



理解に頭が追いついていかなかったので、数秒経ってから手にしていた青と黄のラインマーカーを思い切り加藤に投げつけた。


これが今の私に出来得る最大限の(シャー子ちゃんとペン子さんの)仇討ちだったのだけれど、その結果、青と黄のラインマーカーはべき、と嫌な音をたててインクを垂れ流しながら分身した。

二本しかなかったはずのラインマーカーは今や四つになっている。


「ごめん、ラインマーカー壊れた」
「素直に壊したって言えないのかお前」


言って、溜め息を一つ。

末恐ろしく将来が心配になってくる子だった。
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