好きだから【超短編】
「なっ///さっき1度しか言わないとか言ってたじゃん!!」
「それは''好き''っていう言葉だけだし。」
「私も…私も陸を愛してるよ。」
「俺たちって幼馴染?」
「馬鹿。分かってるでしょ///」
「…今日から桃は俺の女でいいんだよな。」
「うん。私は今日から…ずっと陸の女だよ。」
幼馴染から脱出した俺は、
晴れて桃と恋人になる。
『私は今日から…ずっと陸の女だよ。』
桃の言葉が頭を何度もよぎる。
「なぁ桃。」
「何ー?」
恋人だったらしてもいいだろ?
俺が桃をさっきより真剣な眼差しで見つめると、
あの鈍感桃が気づいてくれて、
そっと瞼を閉じてくれた。
とてもキレイなまつげ。
俺は、本当に桃の恋人なんだ。
もう、あと数十秒で沈みそうな夕日をバックに俺も瞼を閉じ、
そっと桃の唇と俺の唇を重ねた。