好きだから【超短編】
初めてのキスは、
桃の涙のしょっぱい味がした。
「陸…。」
唇を離すと、桃は瞼を開けて俺を見る。
沈みかけの夕日があるけど、
桃がほんのりと顔を赤らめているのがわかってしまう。
そんな桃が愛しくて、
俺はまたキスをする。
「り、く…」
桃が開けた口の中に俺は舌を入れる。
「ンッ…陸っ」
桃は苦しそうに俺の胸を叩くけど
やめられない。
桃の舌と俺の舌が絡まる。
口を離すと、銀色の糸が陽に反射して見えた。
「陸の馬鹿///」
そう言ってる桃の顔はトロンとしていて俺の理性を奪っていく。
ただでさえ家の前なのにこれ以上キスとかすんのはヤバイ。
「陸?」
俺の名前を呼ぶ桃に今度は軽くキスをして、
俺は桃から離れた。
「これ以上桃と一緒にいると理性が持たなくなる。」
「なっ////陸のエッチ!!!」
「じゃあまた明日な?」
俺はそう言うと、そそくさと家の中に入っていった。