好きだから【超短編】
「なぁ桃。」
「うん?」
「俺らって馬鹿だよな。」
「…。」
「俺も桃と同じ考えで気持ちを言うの、逃げてたんだ。」
「うん。」
未来のことが気になって怯えて逃げるなんて
馬鹿だったんだよ。
思い切って前に進んだ方が
たとえ悪い方向になったとしても、
気持ちはスカッとすると思う。
恥ずかしいからという理由も同じだと思う。
どちらか1人でも、
その壁を突っ切ってしまえば、
あとはどうにかなるんだから。
「あのさ、さっき『対して昔からじゃねぇだろ』って言った時に言葉が詰まったのはなんだったんだよ。」
「あれ?だってもしあのまま言ってたら気持ち伝えてたもん。」
あーもう、俺さ、完全に桃を愛してる。
だって顔を赤く染める桃がいつも以上に愛しく見えるから。
「なぁ桃…。」
「何?」