君に届ける最後の手紙
「……オカマ?」


「んだ!オホホみてぇな顔したオヤズが、めんこい男さイタズラすんだ!」


「由君……勘違い?」


「……いや、違う!先輩の説明不足なんだ!」


俺は全力で責任転嫁した。


それはそうだろう。誰だってカマオヤジと聞いた直後に、鎌を持った親父を見ればそいつだと思う。


ともあれ、何の罪もないおじさんを疑ったのは失礼な事だ。


「おじさんスイマセン……良かったら乗せてってもらえますか?」


「おぅ。俺ん家この近くだがら着いてこい!」


「由君、やったね!」


「うん。良かった」


本当によかった……訛りが聞けて。


俺は純朴好きというより、訛り好きなのかもしれない。


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