君に届ける最後の手紙
学校の敷地を出る直前。


アイは突然足を止め、口を開いた。


「ねぇねぇ由、こっち来て!」


「ん?」


彼女が向かった先にはビニールハウスがあった。


俺は疑問を持ちつつ、アイに連れられるままビニールハウスに入った。


すると中には果物達の世話をする、農業担当の先生がいた。


「おっ?何だオメェら。イチゴ欲しいのか?」


「んだ!少しちょうだい!」


迷いもせずに答えるアイに、俺は動揺を隠せなかった。


「おいおい……そんなに堂々と……」


「いいのいいの!なっ!父ちゃん!」


「おぅ」


「へっ?!お父さん?!」


「んだ。アイ、コイツがオメェの彼氏か?」


「そっ!由君だよ!」


学校の中に父親……下手な事は出来ないな……。


「あ、はじめまして。アイさんとお付き合いをさせて頂……」


「んなカタくならねぇでいい!オメェら今結婚する訳でねぇべ?!」


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