君に届ける最後の手紙
確かに……結婚を申し込もうとしてるわけではない。


カタくなり過ぎか。


「あ……ハハハ……ですよね」


俺は少し照れながら、ポリポリと頭を掻いた。


「オメェ、変な奴だな!ハハハハハ!」


良かった。どうやら優しくて、明るい人らしい。


アイのお父さん……先生からイチゴをパックに詰めてもらうと、忘れかけていた駄菓子屋に向かった。


歩き初めてすぐに店に着き、昔ながらの「ガラガラ」と音のするガラス戸を開けると


「うわぁ!なんか懐かしい!」


目を皿の様にして店内を見渡すアイ。


俺もすごく懐かしく感じた。


幼い頃に、母とよく行った駄菓子屋を思い出す。


どんどん焼きに、シャンペンソーダ飴。"にんじん"とメンコちゃんゼリーまである。


「あ、あれも!……あとこれも!」


なんて二人で懐かしみながら買い物を続けた。
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