君に届ける最後の手紙
「違うよ」


「え?」


アイは俺の両肩に手を置き、ツンと背伸びをする。


俺とアイの身長差は約20㎝。


こちらが少し首を下に向けると


帳尻が合うのだ。


そして…………




…………接触。




「私は……」


アイの声で我に帰る。


「こうしたかった……」


顔を赤らめたアイの顔は、異常に可愛く見えた。


その後二人は、仲良く手を結び、帰ったらしいのだが、


そこから先、寮のベッドに横たわるまでの記憶は


もちろん無い。


俺は多分、初めてちゃんとした恋愛をしてるんだ。


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