君に届ける最後の手紙
キミとアイツの間に
それから約一ヶ月後の帰省日。


俺は前回同様、駅のホームで電車を待っていた。


しかし何かシチュエーションがおかしい。


俺とは反対方向へと向かう筈のアイが、俺と同じ電車を待っているのだ。


「ね、何で俺と同じホームにいんの?」


何でって事もないが……


「お母さんに挨拶するんださ」


すでに嫁入りを考えているんだろうか。


「俺んち来るのはいいけど、帰りはどうすんの?」


「それは帰りに考えるよ。……てか由は私と一緒にいたくないの?」


そういう事か。今までまともな恋愛をした事がない俺は、相手の気持ちにも疎かった。


実は俺、アイに酷い事を言っていたんでは……


「あぁ、ゴメンゴメン。そゆ意味じゃないよ」


「そう?なら良かった!」


笑顔で答えるアイを見て、少し安心した。


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