君に届ける最後の手紙
電車に揺られる事約20分。


目的地に着き、下車すると共にアイの目が輝きだす。


「うわぁ……街にくるの久しぶりだぁ!」


そんな彼女を見て可愛いと思ってしまう俺は、ちょっとバカなのだろうか。


「ねっ、由んちってここからどれくらい?」


「ん?あぁ、そんなにかからないよ。アーケード抜けてすぐだから」


「すごい!……ホント都会っ子だね」


まぁ確かに寮生活から出てくると、都会っ子だったんだと思う。


「あんまりごみごみしてるの好きじゃないけどね」


するとアイは右の眉をクイッと上げ、こう言った。


「由、贅沢!」


< 116 / 233 >

この作品をシェア

pagetop