君に届ける最後の手紙
居間に行くと、テーブルの上には、必要以上にお菓子の群れが、所狭しとならべられていた。


ケーキにチョコ、ポテトチップスにジュース。


ちょっとしたパーティーだ。


お菓子を囲んだ女性衆は終始和やかに過ごす。


「うんうん……いい事だ……」


俺がそうこぼすと、アイは思い出した様子で母親に話し掛けた。


「ちょっと聞いて下さいよぉ!私、由に騙されたんです!お母さん、すごく怖い人だって聞かされてたんですよぉ?」


一斉に視線が俺に向けられる。


「な、何だよ……」


「由ちゃん最悪〜」


「ホンット、アンタって子は……」


「いや、だってあれはプリクラの……」


しまった……


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