君に届ける最後の手紙
「ホームルーム、めんどいな……屋上いってみよ……」
中学校の時とは違い、ウチの屋上は本格的に立入禁止なのだが、気晴らしに忍び込んでみる事にした。
階段を上がり扉の前に立つと、物々しく
「立入厳禁!」
などと書いてはいるが、鍵は掛かっていない。
「鍵閉めないからこういう事になるんだよ……」
なんて一人で言いながらトラ模様のロープを跨ぎ、扉を開けた。
「ん〜……懐かしい雰囲気」
朝独特の透き通った空気が俺を包み、辺り一面緑に囲まれている。
最近"緑"には慣れが出て来たが、角度を変えてみると、これがまたいい。
"気が晴れる"とは良く言ったもんだが、まさにこれを指すのだろう。
しばらくその景色に見とれていると……
「ガチャ……」
「?!」