君に届ける最後の手紙
ヤバイ……これはハッキリ言ってかなりヤバイ状態だ。


ウチの高校は、かなり停学のラインが低い。


この間教室の床下にある変な部屋に入ったってだけで、停学になりかけた奴がいた。


その時は、事前に説明が成されていなかった為に、厳重注意で留まったが今回は違う。


「立入厳禁!」


と、思い切り書いてある所に、わざわざロープを跨いで忍び込んでいるのだ。


教師に見付かれば、情状酌量の余地なしで停学となるだろう。


「……ハッ!」


こんな考えを巡らせている場合じゃない。


とにかくどこかに隠れねば……。


「えっ……と……あ!あそこがいい!」


俺は取り敢えず消火器の影に隠れた。


…………………………………………………………隠れた?


隠れられるはずがない。


どうみても消火器の方が小さい。まぁ、この際そんな事はどうでもいい。


俺はコノハズクばりに体を細め、気配を消した。


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