君に届ける最後の手紙
寮祭〜恋花火〜
あれから月日は流れ、夏。


卒寮まで後一週間と迫った、七月半ばの事。


俺達寮生は、いつもの様に食堂で夕食を取っていた。


「由、ちょっといいか?」


先輩の一人が俺を呼ぶ。


「はい?何スか?」


「一年生が卒寮する前日にさぁ、寮祭ってあるだろ?その実行委員にならないか?」


何故俺なんだ。そういうのはもっと真面目そうな奴がやるべきだろう。


「いや、俺はいいっス。大体そゆの向いてないっスから」


「お前の彼女はやるみたいだぞ?」


何?


「アイが?」


「あぁ。何か凄く張り切ってたなぁ」


アイが張り切ってた……か。何かの思い入れでもあるんだろうか。


ま、よく考えてみれば、俺は部活をしているわけでもなく、"真面目じゃない"という事意外では断る理由が見つからない。


「んじゃ、やってみます」


お祭り事は嫌いじゃないしな。


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