君に届ける最後の手紙
先輩との話しも一段落付くと、食事を済ませたアイの元へと駆け寄った。


「おぅ」


するとアイは思いがけない……というか、今まさに俺が聞こうとしてた事を口にした。


「由、実行委員になったんだね!寮祭に何か思い入れでもあるの?先輩が言ってたよ?」


「へ?それはアイだろ?先輩が言ってた……」


というか、おかしい。かなりおかしい。


俺が実行委員になると決めたのは、ついさっきの事で、先輩がアイの元へと向かった形跡はどこにもない。


「………」
「………」


二人で顔をしかめる。


考えていた事は全く同じ、五音の言葉。


は・め・ら・れ・た。


昔からそうだ。人の話を鵜呑みにする癖がある俺は、はめられ易い。


でもまぁ、結果的には"アイもやる"という事に変わりはない。


「やってみるか!」


「うん!想い出作りだね!」


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