君に届ける最後の手紙
それからというもの、今までの俺とは別人の様に、忙しい日々を過ごした。


ここに入学してから部活をするでも、他の組織に所属するでもなく


ただ寮に戻って呆けていたり、アイと他愛のない話をするだけだったが、


今ではそんな事をするひまなんて微塵もない。


元々はこういった面倒臭い事は大嫌いだったが、これはこれでいいもんだ。


「寮……意外と楽しかったね……」


アイが手際よく作業しながら、俺に話し掛ける。


言われてみればそうだ。


最初は嫌で嫌でしょうがなかった。


でもそれは、ほんの一週間ぐらいの事で、後は楽しい事しか思い浮かばない。


ドキドキしながら他の奴の部屋に泊まってみたり


寮で出る搾りたての牛乳がうまかったり


浴場で、大人になりきれてないやつを羽交い締めにして"剥いて"やったり……。


本当に楽しかった。


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