君に届ける最後の手紙


「できたぁ!!!」


想いに耽っている俺の隣で、アイが突然大きな声を出す。


「……っくりしたぁ。ん?おぉ!」


縦2m、横3mの鉄淵の中には、寮祭−1999夏−と縄で器用に書かれている。


本番ではこれに……


お楽しみにしておこう。


「おぉ!よく出来てるじゃん!」


という先輩の言葉を聞くと、アイの仕草もどこか誇らしげ。


「えっへん!」


と、目が言っている。


「先輩、いい寮祭になるといいっスね」


「あぁ!一年生の寮生活を、いい想い出にするか、悪い想い出にするかはお前らの腕次第だ!」


俺達の腕次第……


なんか、燃える。


< 141 / 233 >

この作品をシェア

pagetop