君に届ける最後の手紙
「よしゃ!急ぐぞ!」


「うん!」


俺とアイは、先日縄で作った文字の部分に、手際よく灯油を薄目に塗り、それを看板の様に立てた。


「みんな早く出て来ないかなぁ……」


アイも楽しみで仕方ない様子。


俺もそう。段々身体がウズウズしてくる。


それから5分程待つと、寮の中がざわつき始める。


「さぁ、そろそろだな!」


待ち切れなくなった俺が、看板の隣に置いていた松明に火を付けると、先輩を筆頭とした寮生達が出て来た。


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