君に届ける最後の手紙
「え、これもう通話できんのかなぁ?」


「うん。もう使える状態だって言ってたよ!」


事務手数料と機種代を合わせた7500円を母に手渡すと、俺は誰も出る筈のない自宅へと電話を掛けた。


トゥルルルルル……トゥルルルルル……


繋がった。


別にたいした事ではないのだが、何故か目頭が熱くなる。


バイト先に行ったら、みんなに自慢してやろう。


母と別れると俺は、弾むような軽い足取りで、コンビニへと向かった。


俺は今、近代社会のド真ン中にいるのだ。


走れ……俺!


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