君に届ける最後の手紙
そんな事もあってか、その日、俺の勤務態度はハッキリ言って最悪だった。


客に対してどうのって訳ではないが、かなり適当だった。


適当に本を並べ


適当に惣菜や弁当を廃棄し


全力で休憩。


するとバックルームのモニターには、会計待ちしてるカップルらしき二人の姿が移った。


「あれ?他の三人は?」


いない。そういえば、みんなそれぞれトイレの掃除や灰皿を洗ったりしてる時間だ。


「はいはい……俺、休憩中なのに……」


俺はブツクサ言いながらレジに立った。


男の方はブスッとした顔の、感じが悪い客。


まぁ、店員が誰も来ず待たされたのだから仕方ない。


そう思いつつ女性の方をチラッと見ると、これがまぁなかなか綺麗なお姉さん。


髪の毛はクルンクルン。


耳には大きな輪っか。


化粧もバッチリ。



バッチリ……ん?なんか……



誰かに似てる……。



あれ?いや、違うだろ……。



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