君に届ける最後の手紙
試合の翌日。


その日は三年生の引退式だった。


しかし、ゲンキは出ない出ないとゴネている。


「なぁ……今日で本当に最後なんだぞ?引退式出よう!なっ?」


「いや、出ない。アイツらが許すわけないだろ。絶対出ない」


「いつまでスネてんだよ!アイツらだってわかってくれるって!……ほら!迎えに来たぞ!」


三年の部員が揃いも揃って教室に入って来た。


「ゲンキ……来ないのか?」


「あぁ……行けねー」


「俺達な、由に言われて気付いたんだ。負けたのは自分以外の誰かのせいにしたかっただけなんだってな。でも違う。やっぱゲンキのせいなんかじゃないよ。つーか、ゲンキがいたからこのチームはここまで強くなれた。……一緒にやろう。待ってるからさ」


それだけ言うと、みんな先にグラウンドに向かって行った様だ。


「だとよ。ゲンキ、みんな待ってる。早く行くぞ」


「………」


無言ではあったが、ゲンキは素直に仕度を始めた。


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