君に届ける最後の手紙
「何だったんだ……」


さっきの人がアサミである事に間違いはないのだが、なんか違う。


雰囲気、見た目……


あれ程好きだった黄色なんて、どこにも身につけておらず、シックな感じだった。


「春の新色!」


なんて言いながら化粧品のCMに出てきそうだ。


「まぁ、奴も大人の階段を上り始めたって事だな……」


なんて無理矢理な理由を付けてはみたが、そういうレベルじゃない。


「なんかあったんですか?」


同じ夕勤の女の子が不思議そうな顔で、俺に話し掛ける。


本当はこんな事を打ち明けてもしょうがないのだが、同性の彼女に聞いた方が解りやすいだろう。


「あのさぁ……」


< 151 / 233 >

この作品をシェア

pagetop