君に届ける最後の手紙
その次の日は日曜日で学校も休み。


特にやる事もなく、昨日が給料日だったという事で、俺は服を買うため街に出ていた。


「今日は一人だし……行った事ない店でも……」


そんな事を呟いていたかどうかは、記憶も曖昧なところだが、メインストリートから脇道に入ってすぐ目に止まった古着屋の前に立った。


「ん〜……」


俺は基本的に一人上手な方だが、その店から溢れ出るシブイ雰囲気を前に、一人で入ることを尻込みしてしまう。


「ふぅ……よし!」


俺は勇気を出して、木造りのドアに手を掛けた。


すると……


ガチャッ……


向こう側からドアが開いた。


「うぉっ?!……ビックリしたぁ……いらっしゃ〜い!」


いや、ビックリしたのはこっちの方だ。


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