君に届ける最後の手紙
年齢は20代後半。スラッとした体型の男性店員だ。


……まぁ、いらっしゃいと言われた手前、入らないわけにはいかないだろう。


「うわぁ……」


店に一歩入ると、そこには想像を遥かに凌駕した、大人〜……な世界が広がっていた。


壁に掛けられたテンガロンハット


ピカピカし過ぎず、シブイ輝きを放つシルバーアクセサリー


そして、アメリカン・カントリーな曲がレコードで流されている。


今まで中学生、高校生が入りやすい店にしか行った事がない俺は、正直圧倒されていた。


そんな大人〜……な雰囲気の中、店員は酒を……んっ?!


「あの……そんなの飲んでていいんですか?」


「ん?飲むか?」


「いや、いいです……」


「酒じゃないよ?外国のジュースだ!ホレ!」


というと、俺にジュースを手渡す。


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