君に届ける最後の手紙
隣にいる女性はアサミだろうか?


……いや、違う。


背格好は似ついているが、アサミじゃない。


よく見ると、二人は手を結んでいる。


じゃ、アサミの存在って……。


俺の中に、ふと空虚な気持ちが横切る。


自分の事ではないのだが、何か無性に悲しくなった。


「……お客様?」


「え?」


あぁ、そうだった。


「あ、すいません」


なんて言いながら、ぎこちない笑みを浮かべ会計を済ます。


この気持ちは何だ……身近な友達でも、浮気をしてる奴や、されてる奴は結構いるのに、何か苦しい。


胸が締め付けられる様だ。


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