君に届ける最後の手紙
店を出ると、色々な想いが頭の中を巡る。


……アサミは彼女じゃなかったのか?


……この事を知っているのか?


……辛くないのか?


もう頭の中がグチャグチャで、クラッシュしてしまいそうだ。


と、そこで


ピロリロリロ……ピロリロリロ……


相変わらず淋しいピッチの呼び出し音が鳴る。


アイだ。


「もしもし?」


『あ、由?今街に出て来てるんだけど、逢える?』


「うん、いいよ。じゃあ……」


俺達二人は、駅の近くにある喫茶店で待ち合わせる事にした。


安易にOKを出してしまったが、こんな状態で会って大丈夫なんだろうか……。


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