君に届ける最後の手紙
しばらく歩き、店に着くと、元気なアイの声が飛んでくる。


「由〜!こっちこっち!」


そんな大きい声出さなくてもいいのに。


「おぅ。待った?」


「今来たとこだよ!何か食べよ!」


「うん」


席に着いて店員が来るなり、俺はホットドッグとアイスコーヒーを、アイは紅茶のシフォンケーキとホットコーヒーを頼んだ。


店員が場を離れると、すぐにアイはこう切り出す。


「元気ないよね?」


早速それか……もう丸一年付き合ってれば解るものなんだろうか。


が、俺は出来るだけ気付かれないように振る舞う。


「あぁ、睡眠不足……だね」


「ふ〜ん……」


間違いなく疑ってる。そもそも隠そうとするのが無理なんだろう。


ま、出来る限り隠し続けよう。


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